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◎ワーキングメモリー能力、コーピング能力を高めよう(その1)

2018.04.09.13:56

◎ワーキングメモリー能力、コーピング能力を高めよう(その1)


「ぱいでぃあ」に相談に訪れるご家族で、近年はお子さんのWISC(現在はⅢではなくⅣ)の検査書類を持って来る人が多くなった。理由の一つには、本人把握の正確を期して「ある場合にはお持ちください」と呼びかけていることもあるが、「ぱいでぃあ」というフリースクールを開設した2000年代当初にはなかった変化の一つである。その功罪について多少触れてみたい。 ここには「不登校」を取り巻く大きな変化があるようにみえる。


▼かつて不登校という登校忌避の現象が8万人、10万人と拡大の一途を辿りながら(平成28年度段階で13万5千人と言う)、依然として「学校無謬説」が主流であった。「不登校の主要因は本人の「情緒障害」である」とされていたのである。(この辺りの事情については月刊教育誌『ニコラ』の記事に詳しい。自分が月刊誌『二コラ』の発行人として、県の教育センターに取材し、担当者と話し、様々な資料を見せていただいたことから得た率直な感想である。)

当時、不登校問題の研究はまだどこの大学でも進んではおらず、文部省(当時)はおろか全国各地の教育委員会にも明確な方針はなかった。なのに、どういうわけか「学校教育の問題ではない」という点についてはやけに明確であった。

(「不登校はどの家庭でも起こり得る」という見解を文部省が出したのは、実に平成4年になってからのことである。)


▼つまり、この間、多少の紆余曲折はありながら、子どもが自己の存在を賭けた不登校という社会現象に対して、当時から現在に至るまで一貫して学校教育側の対応は、「不登校は学校の問題ではなく本人の問題である」という姿勢であった。当時は「子どもの情緒障害」としていたものが、現在はWISC等の心理テスト(児童生徒の場合)で本人の一種の「病理」とする形で処理され、より科学的なオブラートで包んで来ているということがある。

それらを総称して現在「発達障害」(ADHG、自閉症スペクトラム、LD)というラベル付けをする。(忘れないでほしいが、それまでは「不登校は病気ではない]と言うのが公的な了解事項であった)

しかし、こう分類したところで、何かが明確になったということではない。その分類がどこまで科学的かどうかも怪しい。「何か異質だ。取り敢えずこんなところで」というところか。


▼だが、こういう一見科学的な意匠をまとった精神医学的な判断付与による教育界への影響力は凄まじい。子どもが不登校になったら、教師は学校での教育的関わりをあっさりと放棄して「お医者さんに行ってください」と言うことが非常に多くなった。

それで、教育的関わりには素人であるはずの精神科医や心療内科等の医師が、当然の如く医療的判断を下す。医者としてのプライドが許さないのか「分からない」とはまず言わない。それで、そういう医療的診断を下された本人や親御さんは、そして学校の先生も、それを天の声のように受け入れ従う。まるでそれが変更不可能な宿命的絶対的な判断であるかのように。


(2に続く) 

 

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不登校の子ども達やフリースクールを応援するブログです。
「不登校も過ぎてみればいい経験」がモットー。「脱・不登校」ですが、不登校の否定ではありません。それを肥やしにして、そこから飛び立つことが願いです。
 世の中にはもと不登校とか学校が合わなかったという人はたくさんいます。でもその人達は自分を否定せず自分を貫き通し自己実現した人達。不登校をはじめ様々な逆境をまたとないチャンスとして積極的に生かした人達。何も特別な人達ではありません。どの子もそうなることことを願っています。主役はあなたです。

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