不登校支援&脱・不登校支援について----フリースクールとは何か

2015.06.17.15:15

▼近年、この時期に毎年恒例のように「官民連携の不登校セミナー」が開催されて来ました。現在、そのメンバーとなり開催に向けての準備を進めていますが、一貫して縁の下の力持ちに徹してきました。
実は不登校問題に関わったのは1990年代から。当時は県内の教育委員会はどこもまだ「不登校対策を考えておらずく今後も予定はない」という状況でした。でも、子どもの成長に待ったはなく現在中学卒業を控えている子でも5年も経てば成人です。当時の教育委員会や学校側の子ども観に立てば、「不登校の主たる原因は本人にある」という考えでした。しかし、日々刻々と変化し成長する子どもをそのまま放って置くことは、単に学校を離れたというだけで、花実の付けない無念な人生を歩ませる結果となります。と同時に、国家もまた貴重な人材を失いその後の人生を見ていかなければならないリスクを背負うことにもなります。
それで、とにかく行政を待つことなく、民間で出来ることからやって行こう……これが不登校支援活動を始めた原点でした。まだ、日本では他人のために尽力するという市民活動も未熟であり、現在のようなNPO法もNPO団体もない時期でした。阪神淡路大震災が起き、村山談話が発せられた年でもありました。

▼あれから20年以上の歳月が流れました。この間、不登校問題はどう進展したのでしょうか。当時、不登校の小中学生の数はピーク時には13万人を超えた言われましたが、現在も12万人を超えており、実数に大きな違いはありません。「学校復帰の働きかけはいいか悪いか」も定まらず、「不登校は病気でない」と言われながら親も教師も教育を放棄して医者の鶴の一声に従います。ところが、子どもの不登校現象で騒ぐのはアジア特有の現象らしく(不登校現象そのものは先進国共通の問題です)、しかも日米の精神医学界は子どもを薬漬けにするだけで何ら立ち直りに繋がっていないと猛批判を浴びてさえいます。寡聞にしてそれで立ち直ったという人を知りません。
ただ少し変わったように思えるのは、不登校の社会的認知です。不登校から多くの子ども達が引きこもりに移行し社会参加できずに吹き溜まると言われながら、学校教育は今も「年齢主義」を盾に、学業その他が出来ようが出来まいが卒業年齢が来ればそのまま放校する措置を当たり前のようにとっています。卒業した後、その子は今どうなっているのか……その調査はほとんど行われていません。不登校になった子どもに待っている命運、それは基本的にこの20年間、一向に進展はなかったわけです。

東京シューレが主導した日本でのフリースクールの位置付けも特殊でした。本来、教育とは民間活動の一環であり、フリースクール運動も国家主導の教育とは違った教育の新しい可能性を切り開くはずのものでした。しかし、日本ではその活動は不登校の受け皿的な役割に変質してしまいました
今、文科省は国策として教育に新しい方針を導入することを検討しているようです。それは一見これまでのフリースクール運動の社会的な役割を評価するという形はとってはいます。しかし、文科省側のバックにある特定の民間教育への利益の便宜を図るということが本音のようです。見方によっては「教育にダブルスタンダードの基準を導入する」とも言うべき改革で(そこには日教組等教職員組合への圧力の意味もあるのかも)、そこに税金(教育公費)を投入することが検討されているようです。表向きは不登校支援の方向に文科省が動き出したようにも見えますが、そこに本人やその家庭へ学習権や教育権を保証するという視点はまるでありません。ただ、従来の教育の流れに楔を打ち込み圧力団体への利権導入を図りたいという動きが見えるばかりです。教育改革の名の下に、教育への新たな規制がかかるのかもしれません。

▼国の教育施策がこういう方向にあるのは単に教育行政だけの問題ではないのかもしれません。それを許しているのは他ならぬ不登校の子どもを持つ親御さん達なのかもしれません。単に学校に行けなくなったというだけで、本来子育てを行う側にあるあるはずの学習権や教育権が単に学校に行けなくなったということであっさりと放棄してしまって(義務教育は無償という権利まで放棄して)「とにか早く学校へ戻したい。学校へ戻せばなんとかなる」と考える、そのツケが回ってきたのかもしれません。奈良・平安時代にまで遡る「日本の長い子弟教育の歴史」の中で、国家による学校教育が行われるようになったのは、明治5年の学制発布以後のことなのです。子ども達の真の学習権の保障のためにも、「本来、学習権はどこにあるのか」を再確認しなければならないと思います。

▼残念ながらこの20年の流れの中で、私学のようには助成がない中で、私費を投入してまで不登校支援に取り組んできたような団体がだんだんと消えて行き、不登校ビジネスとして参入してきた企業体ばかりを生き残らせる結果となりました。そこには支援者側の問題もあるでしょうが、保護者側の大半がただフリースクールを利用するだけで「我が子の問題が解決すればそれでよし」と去りゆく形をとり続けたことの必然的な結果とも言えます。
悲しいかな、そこにはただ、他者への想像力や思いやりの欠如が見えるばかり。心身を投げ打って不登校支援の活動を行ってきた人達への配慮がもう少しあったならばと思わざるを得ません。「寄付文化の育たない国、日本」と言われます。そんな表現が当たり前のような日本があります。そういう病んだ日本の社会が行き着いた当然の結論の姿なのかも知れません。

▼いや、もうこれ以上不登校問題のネガティブな側面ばかりを強調するのは控えましょう。不登校支援の思いとは逆の方向に行ってしまうことになります。
実は、ここにこそ、「《脱・不登校》に向かう大きな教訓、大きな学び」が潜んでいるのです。「海外の子ども達にはあって日本の学校の子ども達には決定的に欠けているもの」が、不登校という現象を通して明らかになって来たように思います。それは、「まともに考える子どもは不登校になる」「不登校は卑下すべきマイナスではなく誇るべきプラスの経験である」「不登校を通してまたとない成長ができる」ということです。
「不登校のメリットは何なのか?」「不登校にどんな可能性があるのか?」……この拙文の最後に、そういうことについて語りたいと思います。それがあればこそ、私達は不登校の子ども支援にこだわってきたのですからだ。

▼実はこれは理念としてはありながら「総合パンフレット」を参照)最初から実践していたものではありません。「スタッフと子ども達との関わり合い学び合い」を通して次第に理解し実践してきたことなのです。そこから、「なぜ個性的な子が学校を離れるのか?」「退部生とか転校生とか帰国子女の子に不登校の子が多いのはなぜか?」「不登校になる子は表面で理解されていない秘めた可能性を持っている」「その子の個性を親もスタッフも理解して評価すれば飛躍的に変化し成長する」…等々が見えてきたのです。
もっと端的な例を挙げれば、「ぱいでぃあ」からはどの子も元気を取り戻し自信を持って自分の未来へと羽ばたいて行くようになりますが、今はもう社会人として活躍している卒業生、私どもで言うところの「脱・不登校」を成し遂げた子ども達、いわゆる「成功例」の子ども達に共通しているものがあります。それは、「不登校も過ぎてみれば又とないいい経験」であったということ。「不登校があって今がある」ということ。「不登校がその後の人生の肥料となり肥やしとなった」ということ……。などでしょうか。
そういうことを願うお子さんであり親御さんであるならば、どうぞ門を叩いてください。

※子どもが変わるためには親御さんの協力が絶対不可欠です。
※教育相談のとき、お子さんの様子を見させて頂いたり聞かせていただくと同時に、親御さんとの状況も見させて頂いています。不登校のお子さんを支援するとき、親御さんとどのような協力関係が築けるかが最大のカギだからです。子どもだけがどんなにフリースクールで一生懸命頑張っても、ご家庭での今後の関係・環境が変わらない限り子どもは変われないのですから。

次回から、その事例を紹介したいと思います。

(続く)

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不登校の子ども達やフリースクールを応援するブログです。
「不登校も過ぎてみればいい経験」がモットー。「脱・不登校」ですが、不登校の否定ではありません。それを肥やしにして、そこから飛び立つことが願いです。
 世の中にはもと不登校とか学校が合わなかったという人はたくさんいます。でもその人達は自分を否定せず自分を貫き通し自己実現した人達。不登校をはじめ様々な逆境をまたとないチャンスとして積極的に生かした人達。何も特別な人達ではありません。どの子もそうなることことを願っています。主役はあなたです。

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