不登校の子ども達の今年の中高受験をすべて終えて思うこと:収容施設にはならない
2014.03.11.00:22
大宮公園の梅祭りから
不登校の子ども達の今年の中高受験をすべて終えて思うこと:収容施設にはならない
▼昨日は、大宮公園での恒例の梅祭りに出かけ、デジカメに収める。そして、今日は埼玉県立高校の合格発表の日。朝の早い段階からスマホに結果が飛び込む。泣きもあれば笑いもあるのが入試というもの。まして、学校には行かずフリースクールから受験した子ども達である。そういうことは付きものだろう。さて、その結果は---?
▼幸い、フリースクール・ぱいでぃあから挑戦した小中学の受験生は、今日が受験勉強最後の日となった。中学受験で早々と合格を決めていた小6生を先頭に、全員公立高校合格とはならなかったが、先に受けていた私立高校(併願)、今回の公立高校受験、そして既にセーフティネットとして決めていた通信制高校行きの生徒を含め、めでたく全員合格無事進学となった。素直に彼等のまっとうな努力を褒め称えたい。
▼「ぱいでぃあ」は小学生・中学生という義務教育段階の不登校の子ども達を対象とするフリースクール。サポート校や技能連携校付属の小中学部とは目的が違う。小6なら中学受験、中3ならなるべく公立高校受験をさせてやりたい。それでダメなら費用はかかるが私立高校へ。それでダメならもっと費用はかかるが通信制サポート校へ、という考えでいる。最初からサポート校への選択はまずない。
▼しかし、それには条件がある。不登校でフリースクールに通っていた子が、そのままいきなり公立高校や私立高校を受験出来るはずがない。学業の問題もあるが、それ以上に問題なのは心身の状態である。それが十分に回復しておらず、立ち直っていないにもかかわらず公立高校や私立高校を受験させるわけにはいかない。また同じ結果を招く危険が多いにある。いわば「関門」を通過しなければならない。
逆に言えば、公立高校や私立高校ではあまり不登校の子どもに必要なケアを期待できないということでもある。
▼結果的に、日本の教育システムでは、通信制サポート校等には税金や私学助成金などが期待できない以上、高額になるのは止むを得ない。しかし、その代わりにまだ不登校状態にある高校生年齢の子どもにとっては一番その心身の状態を理解して支えてくれるところでもある。
だから、「ぱいでぃあ」にやって来た子どもにはまず心と身体と頭脳のバランスの取れた回復を図り、公立高校や私立高校受験に臨めるように、不断の関わりを通じて自然な立ち直りを目指すことになる。
▼大抵の場合、それに成功する。が、不幸にして心身等の個人的事情や家庭的な事情、その他の要因によってそれが難しかったり(と言って、進学塾のように、勉強の出来具合で差別することはない。勉強の得意不得意も一つの特性にしか過ぎない)する場合、あるいは余りにも遅くなってからぱいでぃあの門を叩いたために受験までには間に合わないというような場合には、費用が嵩むのはこの際、止むを得ない。最終的なセーフティネットとしての通信制サポート校へ進学することを勧める。やはりそこがそういう子どもには一番適しているからである。
▼ちょうど今日、都内のサポート校に進んでもう高校2年生になる女の子が親御さんと近況報告を兼ねてお話に来た。彼女には特別な事情があり、その事情を理解した上でのケアが必要だった。多分、それが良かったのだろう。今日会った彼女には、人間的に大きく成長した姿があった。彼女にはそのサポート校が合っていたのだ。
▼不登校は一律ではない。であるからこそ、その後の進展に希望をかけたい。出口なしの不登校の収容施設のような所には入れたくない。今回、全日制の公立高校に合格した女の子は、「ぱいでぃあ」を選んだ理由を、「自分が覗いてきた他のフリースクールはみな不登校の子の収容施設のような所だった。でも、ぱいでぃあは違った」と言っていた。その思いは今後とも強く受け止め大事にしていきたいと思う。
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