教育という営みと《不登校》ということ

2013.04.25.14:40

●新年度新学期が始まったと思ったら、すでに4月も終わりに近い。ぱいでぃあは民間のフリースクールだが、基本的に一般の学校と大きな違いがあるわけではない。ただここに集まっている子ども達というのは学校には行かない(行けない)子ども達であるというだけのこと。《それ見ろ、大きな違いがあるじゃないか》と言われれば、そうかもしれないが、それは見解の違いというものだろう。区別することはできる。しかし、そのことにどれ程の意味があるか。問題はもっと別のところにあるはず。そもそも、子どもにとって《教育》とは何なのか?

●このことは以前に、浦和市(現さいたま市)の岸町公民館での連続講座の中ですでに触れている。《遊びの教育学》というのもその一つ。興味のある方はご覧ください。その中で取り上げたことの一つに、《子どもの学びと遊びに本質的な違いはない》というのがある。ところが、学校教育が始まると同時に《遊びと学びの分離》が始まり、そこに学校教育での本質的な問題点があると述べた。今もその考えに基本的な変更はない。《遊ぶ》という行為こそ人間に本質的なものなのだ。これは、ジャン・ジャック・ルソー以来説かれている人間教育の本質的な意味、《人は二度生まれる》ということと対をなして、私の教育観の根本的な部分を形成している。もちろん、その反映がぱいでぃあにもある。

●《人は二度生まれる》というのは、一度は動物学的生物学的な誕生であり、二度目は教育を通しての文化的社会学的な誕生のこと。親は誰でも我が子が誕生する時、健康にすくすくと五体満足にこの世に生まれてくることを願う。これが第一の生物学的な誕生である。この過程で人の子はある時は鰓(えら)が生え、ある時は尻尾が生え、体毛が生え…生物がこの世に生まれ人間に進化するまでの全ての過程を経るという。そのどこかでミス(エラー)があると、残念ながら、その子は五体満足な人の子としては生まれない。それが第一の誕生である。しかし、それは人間の場合には身体的な基本条件が満たされたに過ぎない。人の子として生まれた生命が真の人となるなるためには、教育が必要なのだ

●人間《教育》の根本的な役割はここにある。人間以外の動物であれば、親から多少のことを学び、後は本能に従って行動すればそれで足りる。ペンギンは本能的に泳ぐ能力を備えているであろうし、チーターは速く走れる身体能力を生まれながらに持っている。だが、自然界ではとてもひ弱な裸のサルである人間は、生得的なものではとても他の生物に敵わない。その代わり、人は本能の連関から脱し、頭脳によって社会文化を形成しそれを進化させる方法を手に入れた。だが、それは生得的な本能ではない。生後に学ばなければならない。そこに子どもを《教育》する必要が生まれた。しかも一万年前の文化社会と現代のそれとでは雲泥の差がある。人間の社会は不可逆的に進化する。だから、現代に生まれた子どもたちは現代の社会に生きる学びをしなければならない。それが人間の《教育》という営みである

●しかし、近代国家が成立するまでは、子弟の教育は一部の富裕層が行っていたに過ぎない。しかし、近代国家が成立しそれを維持発展させ国家間の対抗を行っていくためには、全国民を対象とした教育が必要となった。近代学校教育の誕生である。日本においては明治5年に学制発布がなされ近代学校教育がスタートしている。しかし、その学校教育は国家の要請に基づいく教育工場であり、必ずしも国民一人ひとりの要求に沿うものではなかった。さらに近年は個人主義の高まりもあり、先に述べた日本の学校教育の本質的な欠陥もあり、さらに教育権や学習権への高まりに学校の変革ではなく学校の秩序維持(学内暴力の封じ込め等)を前面に出したこともあって、学校教育に異議申し立てを行う人たちはその意思を外部に向けるのではなく《不登校》という形で自己に向けるものとなった。1990年代になって《不登校》という現象が広がった現象の背景にはそういうことがあったと思っている。


******************************************************
「教育落書き帳」(ブログ)<
http://blog.goo.ne.jp/gootyokipapa/
「フリースクール・ぱいでぃあ」のサイト
http://freeschool-paidia.com/
「いきいきニコラ」のサイト
http://www.os.rim.or.jp/~nicolas/
******************************************************
良ければクリック。
にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ

にほんブログ村
スポンサーサイト

フリースクール・ぱいでぃあ新年度始動です!

2013.04.11.23:46

フリースクール・ぱいでぃあ新年度始動です!

▼明日からフリースクール・ぱいでぃあの新年度新学期が始まります。《進級した継続の人》《ここがいい(ここでいいではない)と新しく始める人》《しばらく家庭にいて動き出した子》等々(今年卒業した子は高校生になり新天地へ)新しい旅立ちへ向けての新たな第一歩が始まります。(まだお家から出られない人もいますが、この子達の日々の成長や変化の様はきっと良い刺激になることでしょう)

▼不登校となった子ども達の事由は実に様々。でもそれぞれにちゃんとした動機や根拠があります。そして、自分の思いにとても誠実な人達です。そういう子ども達と接していると、学校で問題ないかのように過ごすには、なるほど《鈍感力》というものも要求されるんだなと思わされることもあります。学校は《なぜ?どうして?》と疑問や考える力を育てるところではなく、感じないで《堪える力》を育むところなんだなと感心したりもします。

▼《不登校は素晴らしい》とか《そのままでいい》という言い方で、不登校が賞賛されたり自分に忠実な生き方のように支持されることがあります。でもそれは野良犬の遠吠えに等しく、やはり《不登校》という姿形は日本の学校教育制度の中では《敗北》の姿なのです。しかし、《負けるが勝ち》とか《損して得とれ》という諺があるように、不登校という姿もまた単なる《負け犬》の姿ではないのです。

▼しかし、多勢に無勢な上、圧倒的なパターナリズムの価値観も支配し、そのままでは不登校に勝ち目はありません。しかし、かつての都知事の石原慎太郎氏や演出家の宮本亜門氏等を持ち出すまでもなく、実に沢山の個性的な人達がかつての不登校だった経験を持っています。でもその人達は潰されたり負けて終わらなかった人達です。そしてそういう個性ある自分を生かすためにどうあればいいかを体得した人達でもありました。

▼何かの縁あってぱいでぃあに集う不登校の子ども達です。この一年間で、じっくりと自分にあった自分を生かす方法を見つけて行きましょう。負け犬になって自己否定に陥っては行けません。独り善がりな手前勝手も支持されません。自分が社会の中では生きていくためには自分の努力はもちろんですが、それ以上に人々の共感を呼ぶことが大きな力になります。

▼ぱいでぃあでの日々の学びや活動、社会参加のスキル等を通じて力強く羽ばたいて行ける子ども達になって行きます。そして、全員合格、全員進級がいつもの目標であり、達成している姿です。最終的に自分の生き方に《イエス!》と言える子ども達を見ること、それが私達の喜びです。


******************************************************
「教育落書き帳」(ブログ)<
http://blog.goo.ne.jp/gootyokipapa/
「フリースクール・ぱいでぃあ」のサイト
http://freeschool-paidia.com/
「いきいきニコラ」のサイト
http://www.os.rim.or.jp/~nicolas/
******************************************************
良ければクリック。
にほんブログ村 子育てブログ 不登校・ひきこもり育児へ
プロフィール

Bakiller

Author:Bakiller
不登校の子ども達やフリースクールを応援するブログです。
「不登校も過ぎてみればいい経験」がモットー。「脱・不登校」ですが、不登校の否定ではありません。それを肥やしにして、そこから飛び立つことが願いです。
 世の中にはもと不登校とか学校が合わなかったという人はたくさんいます。でもその人達は自分を否定せず自分を貫き通し自己実現した人達。不登校をはじめ様々な逆境をまたとないチャンスとして積極的に生かした人達。何も特別な人達ではありません。どの子もそうなることことを願っています。主役はあなたです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
未分類 (26)
フリースクール・ぱいでぃあ (16)
身体活動と脳の発達 (1)
遊びと学びと (5)
右脳と左脳 (0)
社会体験学習の目指すもの (10)
スポーツ活動 (1)
クレヨンしんちゃんとコボちゃん (1)
学校教育と不登校 (5)
理科的思考 (2)
漢字学習 (2)
受験・進学 (2)
コーピング・スキル (1)
昔遊び (1)
「ぱいでぃあ」からのお知らせ (11)
ぱいでぃあの行事から (4)
国語の学習 (1)
不登校とフリースクール (162)
フリースクールの卒業生 (1)
本当の学びとは何か (6)
骨董アンチーク (0)
骨董アンティーク (1)
海外で勉強 (1)
親の問題・子の問題 (4)
最終的な学び場 (1)
コモンセンス (1)
不登校の子どもを持つ親 (4)
日本の教育 (3)
無用の用ということ (1)
ぱいでぃあ活動での学びから (7)
フリースクールでの学び (3)
脱・不登校 (1)
〈不登校〉って何だろう? (6)
東日本大震災 (1)
ぱいでぃあでの活動と学びから (9)
ぱいでぃあ社会体験学習 (5)
子ども達の教育を求めて (7)
ぱいでぃあに集う子ども達について (1)
NPOニコラ:教育ホーラム (1)
高校入試 (1)
アシスタント (1)
不登校からの羽ばたき (9)
フリースクールでの応援の形 (3)
夏期講座 (1)
官民連携の不登校セミナー (1)
不登校だからできる学び方 (0)
不登校だから出来る学び方 (1)
アンスクーリング (1)
親御さんへのQ&Aから (0)
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR