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親が子どもに求めるものは何か?(2) ~教育の先にあるものは何?~

2011.08.31.23:12

(①から続く)

▼ひと言で言うならば「とりあえず、代替がないから」となる。もはや「学校の先生が言う通りにやっていれば何とかなる」とはほとんどの親御さんも思ってはいない。そういう学校的教育神話は長年の低迷する日本経済や老舗の会社も立ちいかなくなる現状を見て、もはや頭から信じられるものではなくなっている。かつて雪崩を打つように突き進んだ産学協同路線は結局のところ学問も経済をもダメにしてしまった。しかし、「替わりがない」。だから、「たとえそれが完全に頼りにはならなくても、当面の間に合わせにはなるだろう」との思いで、取り敢えずは投げ出さずに塾通いをさせている、というのが真相ではないか。ところが、今回の未曾有の出来事の連続は完全にそういう思いさえも吹き飛ばすに十分であった

3月11日に東日本を襲った大地震は1000年に一度の大災害をもたらしたと言うが、東北人の悲しみをこらえた我慢強さは世界の驚嘆と賞賛を招いた。しかし、それに誘発されて引き起こされた福島第一原発事故の惨状が明らかになると「羊のように黙ってなぜ怒らないのか!」「ただ耐え忍ぶだけの奇異な日本人!」ということが強調された。しかし、真に批判の矛先が向けられるべきはそこではなかった。テレビやマスコミは、かつての自民党政権と一緒になって原発推進の強力な旗振り役を演じたという負い目があるからなのか、事実をひた隠しにして、盛んに「安心安全神話」を振りまき始めたのである。

▼そしてそこには事態の深刻さに気付いた国民や国際社会から不安や懸念の声が高まる中でも、明確な根拠もなく安全神話を振り撒いたり、国際基準からすれば明らかに異常な数値であるにもかかわらず平気を装った人々がいたのである。それは大臣等の政治家であれ、試験でトップまで上り詰めた高級官僚であれ、東大で研究に励み教鞭を取る原子力関連の学者であれ、人の命を預かる医師であれ、東電等の企業のトップであれ、広報に携わる様々な評論家であれ、全ては「命よりマネー」のために魂を売った人々のようだった。しかし、そこに登場した人々は、その日までは、自己実現に向けて寸暇を惜しんで勉強し、出来るならなりたいと受験勉強に励む子どもたちの理想を体現した、人生のモデルとでも言うべき人々でもあったのである。どうしてこういうことになってしまったのか。

ご存知だろうか、戦後の日本の教育は権威による上からの「畏怖」を子どもたちに植え付けることを一つの目標としてきたことを。確かそういう軍事教練的な教育のあり方は日本の敗戦によって消え去ったはずであった。学校の教員たちは生徒たちのあたら若き命を散らせたことを詫び、教科書を墨で塗り潰し「今日から民主主義、国民主権の世の中だ」というパフォーマンスも見せてくれたではないか。しかし、戦後、たくさんの物事が大きく変化した中でも日本の教育の中身は基本的には何も変わらなかったのだ。(たとえば、1963年文部省発行の「生徒指導の手引き」にはこうある。「権力 ー 支配 ー 盲従関係は、もっぱら外からの強制的な力によるもので、指導されるものは指導者に対して恐怖心を感じ、その恐怖心を免れるために服従する。きまりに従う行動をさせるためには、このような権力ー支配ー盲従関係も効果的である…」)

▼文字通り未曾有の大地震と原発事故によって図らずも海外から賞賛と批判の言葉を浴びることになった、争いを好まず権威権力に従順な極めて日本的な振る舞いは、良きにつけ悪しきにつけこうした日本的教育の偉大な成果の現れであったとも言える。テレビや新聞に登場した多くの原発推進派の人たちもそういう成果により功成り名を遂げた人々でもあった。子どもたちがっ将来を夢見て勉学に励むこと自体はとても素晴らしいことである。しかし、そういう人たちが今後も相変わらず子どもたちのなりたい人のモデルであり続けるべきなのであろうか。もし、そうなら、日本の子どもたちの未来は余りにも暗く可哀想である。

本来、学校の子どもたちを救う政府機関であるはずの文部科学省までもが子どもたちを放射能汚染を放置する側に立ち、子どもたちを直接保護する立場にある教師たちもまた子どもたちの命の直接の加害者となっている現実がある。少なくとも今、このガラパゴス化した日本の教育をもっと国際基準に沿ったものに開放することが急務ではなかろうか。今後、我々はどういう形で子どもたちに目指すべき目標を示せるのであろうか。それが今我々ひとりひとりに問われている。

※そういう日本の教育自体が閉塞状況にある中、衆議院厚生労働委員会で政府の対応を激しく批判した児玉龍彦東京大学先端科学技術研究センター教授、今年ノーベル化学賞を受賞した米パデュー大学の根岸英一教授、経団連と決別した楽天社長の三木谷浩史氏、自然エネルギー財団の設立に私財を投入したソフトバンクの孫正義氏、そして俳優の山本太郎氏、その他諸々の子どもたちの命を守る活動を地域で続けている人たち…そういう人たちの衣着せぬ発言や行動力が、来るべき日本の将来像を照らし出してくれている。この文字通りの日本沈没さえ絵空事ではなくなりつつある日本で、こういう話題は唯一明るい展望かもしれない。それだけに、一層子どもたちの命を守る取り組みが求められているのだ。

※「親が子どもに求めるものは何か?」ではなく「親が子どもに与えられるものは何か?」になりましたね。3月11日はそれまで良しとされた日本の教育そのものをも吹き飛ばしたのだと感じています。その意味で、この一文は「今の教育の先にあるものは何?」ということをも漠然と表しているかなと思っています。



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親が子どもに求めるものは何か?(1) ~教育・子育て~

2011.08.30.18:18

▼時々新聞で幼児・子どもの虐待死などのトンデモナイ親の話題が紙面を賑わす。当然問題視されてしかるべきだが、そういう事件は例外だから紙面を飾るということもある。実際はほとんどの親は我が子のために絶えず最善の方法を模索しているのだ。しかし、あまり自覚されていないが、親が子どもに求めるものは不動ではない。いつも時代や社会の要請に大きく左右される
たとえば、欧米と日本等のアジア圏では大きく違うし、イスラム圏等とはさらに違うのではないだろうか。日本に限っても、貴族や武士が歴史の表舞台に登場していた時代と近現代ではまるで別の国のことではないかと思うくらい大きく違うのではないか。それは子育ての理想モデルというものが、いつも時代や社会の求めるものに大きく依存しているからであろう。

▼かつて欧米文化を第一と考え、「ザンギリ頭を叩けば文明開化の音がする」とか「末は博士か大臣か」と囃された時代があった。やがて国家が設定した近代主義教育の流れに沿って人々の子弟はこぞって勉学に励むことを良しとするようになった。そして、その過程でそれまでかなりの成熟を遂げていた庶民文化をあっさりと捨て去り武士道的な価値観を教育の背骨とすることとなった。
それには、接木であれなんであれ、欧米文化を積極的に取り入れると共に列強の植民地とならずそれに追いつき追い越すことを国家目標と掲げたことと密接な関係があった。とにかく良きにつけ悪しきにつけ、明治以後の子育ての目標はここに定まった。そして、これは太平洋戦争後の日本においても基本的には変わりはない。だから、今の子育て・教育の主流はどこにあるかを知りたければ、現実に今行われている子育て風景をつぶさに見ることに尽きる。何も女性週刊誌の特集やそれらしい単行本を紐解くことはない。

▼知る人ぞ知るで、「ぱいでぃあ」のあるJR南浦和駅周辺はターミナル駅ということもあって県内有数の塾銀座である。学習・進学塾の有名どころはほぼ場を構えている。だから、夕方ともなるとそれらしい親子の送迎で賑わう。この光景は、従来の年功序列や終身雇用のシステムが崩壊し、日本の教育が大きな曲がり角に来たと言われるようになってからも、基本的に変わらない。PISA等の国際学力テストの比較データで日本型教育の限界が指摘されようと表面上は大きく変わってはいない(もちろん、塾業界の統廃合はあるが、それは基本的に生徒側の問題ではない)。ところが、では、そういう学齢期にある子どもたちの家庭では本当にその教育システムを最善と考えて進学塾等に通わせているのかというと、必ずしもそうとばからいは言えないようだ

(つづく)



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 世の中にはもと不登校とか学校が合わなかったという人はたくさんいます。でもその人達は自分を否定せず自分を貫き通し自己実現した人達。不登校をはじめ様々な逆境をまたとないチャンスとして積極的に生かした人達。何も特別な人達ではありません。どの子もそうなることことを願っています。主役はあなたです。

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